素顔の石川ひとみ(2) 生真面目過ぎた女の子

 前回のQ&Aを読みますと、石川ひとみという人は生真面目過ぎるくらいだなと思われます。

 ドヨヨ電リクで一緒に仕事をしたタモリはその辺を案じて、彼女に芸能界の洗礼を浴びせたのではないかと。
 そのままでは、面白くないので、突っ込みを入れることで石川ひとみの意外なボケキャラを見いだした。
 
 時代の変化に敏感なタモリですから、南沙織から山口百恵にファンの意識が変わっている意味を知っていたのでしょうね。

 南沙織はアイドルの先駆けだった人で、純粋素朴を通した歌手でした。
 この路線を受け継いでいるのは岩崎宏美です。
 ですから、歌謡界に第二の岩崎宏美はいらない、という状況がありました。

 歌手石川ひとみはやはり南沙織-岩崎宏美の路線が一番ふさわしいけれども、宏美ちゃんが壁になっていたのではないかな。

 石川ひとみは同期の石野真子の陰になってしまったと言われていますが、真子ちゃんとは路線が全然違いますので、少なくとも競合関係ではないでしょう。
 一見、無関係のように見えますが、私は岩崎宏美が君臨していたことが、石川ひとみの路線を難しくしていたと思います。

 それで、石野真子ですが、彼女は「スター誕生」の出身ですから、ずいぶん意味合いが違います。こちらはプロの流行歌手を生み出す番組で、人気を得ることのできる人を重視していたと思う。

 真子ちゃんは、合格した理由として「自分で考えたフリつけが良かったのではないか」と言っていますが、歌手の人気ということを若いなりに理解していたと思います。

 石川ひとみは「君スタ」出身ですが、後にピンク・レディーは「プロ志向が強すぎる」と酷評されて落選し、『スタ誕』で合格したという経緯を見ても、こちらは歌の実力をみるという傾向があったようですね。

 この違いは大きいです。「人気が実力にまさる」というのが芸能界に限らず、ファンに支援されるすべてのエンターテインメントに当てはまります。

 歌手にとって、レコード(ディスク)が売れないということは、何よりもショックなことでしょう。
 それが2度3度続くと、自分という歌手の存在を否定されたかのように思うことは無理ないことだと思う。

 人気のバロメーターはディスクの売り上げというシビアな数字ですから、厳しいです。

 人気=売り上げ=ファンの欲するものを提供するという単純なことなのですが、一歌手としてできることは歌手としての実力を上げることというふうに、石川ひとみは進んでいきます。

 阿久悠は山口百恵について「時代とねた歌手」と評したそうですが、それは常に時代が求めるものをとらえて応じていったということでしょう。キャラを変えながら、進化していった。

 自分らしくない路線に悩んでいた石川ひとみが、吹っ切れたという20歳の頃に見たTV番組ですね。
 ハーフ歌手の旗手だった辺見マリは20歳の時にリリースした「経験」が大ヒットして、セクシー路線を行くようになりますが、その路線で歌を歌い続けることに深く悩んでいました。

 その悩みを打ち明けていたのが西郷輝彦で、1972年に辺見マリは突然西郷と結婚して引退してしまいます。
 彼女は1981年に西郷と離婚して芸能界に復帰するのですが、その後の番組で奥村チヨや中村晃子ら昔の仲間との鼎談が放送されました。

 この番組を見て、石川ひとみは「歌手としてはもっとハイレベルなものに挑戦していきたいし、自分をごまかさず年齢と自分らしさに合った曲で、ファンに感動してもらえる歌手になるよう、一歩一歩前進していきたい」という気持ちを固めるわけですね。

 そして『まちぶせ』がヒットし始めたことによって、石川ひとみは急速に自分を取り戻し自信を回復していきます。

 これでダメだったら、辺見マリのように(と思ったかどうかは分かりませんが)一時引退、結婚、(さらに復帰も)とか考えていたはずですが、大ヒットしたことにより、心の迷いが吹っ切れて歌手としてやっていこうと思い直すわけです。

 売れなかった歌手というのは諦めがつきますが、一度でも売れた人は、その魔力にとりつかれますからね。ファンの支援というのは、それほど心強いものだと思います。

 前置きだけで終わりそうですので、前回の続き「50問50答」から、主のものをピックアップしておきます。


Q25 では質問を変えて、家族構成を?
石川 父と母と、兄が一人。

Q26 家族と離れて暮らしている?
石川 東京、渋谷のマンションで私はひとり暮らしです。

Q33 どういう性格?
石川 小さい頃は人見知りのはげしいコでした。

Q34 学生時代にスカートめくりをされたことは?
石川 あります。物さしでめくられたり、鏡をスカートの中に入れるコも。

Q40 クセは?
石川 爪をかむんです。昔は爪切りがいりませんでした。

Q42 ひとみの名付け親は?
石川 母です。映画『新妻鏡』を見て感動して、主人公の愛児の名をもらったんですって。

Q46 新曲『まちぶせ』は銀座の有線放送で第2位だそうだけど?
石川 私の青春の歌にぴったりの詞なんです、よろしく。

Q47 大ヒットするかも?
石川 いいんです。花火みたいにパッと上がって、落っこちたくないんです。一歩一歩ゆっくりでいい。
    それより、長い間、歌っていたい。

Q48 しかし、歌、ドラマ、司会...と手広すぎるんじゃないの?
石川 はいっ。(真顔で)
    それで今年は『プリン・プリン物語』だけで、あとは歌一本でやっていきたいと思っているんです。

Q49 じゃあ、結婚はまだ先?
石川 ずーっと先のお話です。まだまだ未熟ですから。
    まず歌の方で熟して、それから...冷静に考えます。

Q50 最後に一番好きな言葉を。
石川 忍耐。
   小学生のころ母がくれた置物に書いてあった言葉なんです。
   当時は何のことかわからなかったんですが...今がそのときなんです。


 歌手石川ひとみ、真面目すぎて面白くないというきらいがありますので、突っ込みを入れると面白いところがありますね。
 タモリにしても、桂三枝にしても、受け答えがしっかりしすぎているから、石川ひとみに突っ込みを入れて、視聴者を楽しませるということをやるのでしょう。

 石川ひとみに欠けていたのは、そういうエンターテインメント意識でしょうか。

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