水がこわいひとみちゃんがプールに浮いていますが、幼児用プールとか?
「誰もが、いつか時の流れを知るときがくる。そのとき幸せな想いにひたれるかどうか、それは今日の努力しだいだ」
と、お父さんが、よく私に話してくれました。
9ヶ月前、名古屋短大附属高校を卒業後、デビューのため上京するときも、歌手になることに反対だったのに、ひと言そういって見送ってくれたのです。
...そして、もうすぐ新しい年、'79年。
お正月は、ひとみ、名古屋には帰りません。正直言って、大みそかのレコード大賞新人賞に出られないこと、自分に対してくやしいし残念です。
この想いを胸に、かみしめて、東京で、初めて家族と離れてひとり、新しい年を迎えたいのです。
きりっと気持ちをひきしめて、ひとみ、がんばりますヨ!もちろん、年越しそばは、名古屋のきしめんを、国立の寮で作って食べるつもりです。
いま、楽しさと不安が入りまじって、ドキドキしてることがあります。元旦から一週間、東京・浅草国際劇場で、大先輩の森進一さんのショーに出させていただけるのです。
とっても勉強になると思うんです。
なかよしの(石野)真子ちゃんいっしょに出ます。楽屋では、ふたりで笑いころげてばかりかな?
ウフッ!
'79年の目標はもうひとつ。泳げるようになること!
水泳って健康にいいし、やせるのにいちばんの方法じゃないかなぁ。
6年ぶりに本格的に水泳の特訓をやったんです。
なんとなく、フワッと浮いちゃって、スイスイ泳げそうな感じ...。
やっぱり「努力」だなって思う。今度こそお父さんを喜ばせてあげられるかな?
さあ新しい春の予感を胸に、ひとみ、もっともっと歌うヨ!

抜群の実力と実績をひっさげて、期待され歌手デビューを果たした石川ひとみ、年末恒例の新人賞に残ることができず、相当に悔しい思いを味わうことになる。
この年の日本レコード大賞最優秀新人賞は渡辺真知子「かもめが翔んだ日」。
新春の森進一ショーに出るとはいえ、帰郷をせずに一人で正月を迎えようというのは、人生始まって以来の孤独感を味わったことでしょう。
森進一はナベプロの先輩であり、石川ひとみの舞台デビューの面倒を引き受けたわけですね。
しかし、日本レコード大賞新人賞を受賞した石野真子もいっしょというのは、やはり心の中では悔しいはずです。
上の写真はまるでスクール水着みたいですが、この笑顔ですから、楽しそうです。
(えっ、笑ってるのではなく、水が怖くて引きつっているってか?必死のインタビューだったのかィ?)
そういえば、ここはやけに浅い感じ。プールの手前の、足洗い場だったりして...
(それはない、幼児用プールなのだ、本当は)
ナベプロが水泳の特訓をやったのは、水着の運動会みたいな番組を企画して、歌手やタレントを売り出す作戦だったからだと思います。
芸能人の運動会番組が、確かに多かったですね。でも、ひっちゃん水に入ったことがない。
水の中に入っている、珍しい写真です。
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