シャイニングスカイ/Follow You -空港まで-

 竜真知子さん、シングルでは「ガラスの恋人」 「Follow You -空港まで-」 「アモーレ」 「裸足でダンス」など、結構書いています。この歌詞を書いたのは30歳前後です。

shiniig_sky.gif左のように「Inside Outside」は石川ひとみちゃんの手書きの歌詞カードです。

作詞、作曲などの情報は歌詞カードには記載されていません。

「にわか雨」のB面「Follow You -空港まで-」の内容と連続しているようですので、あわせて紹介しましょう。

シチュエーションは同じ、空港での別れです。

なぜ空港なのかといえば、知性派の竜真知子ですからきちんと意味を持たせているようです。

「シャイニングスカイ」では、素直でない自分であったために、二人は別れていく。

どのように素直でないかというと、「別れ際の涙なんて本気にしないで」という強がりですね。

電車やバスなどですと、走り出した後を小走りで追いかける、というパターンになるはずですが、真知子さんはそれを避けた。キッパリ感が出ない、と。

飛行機ですと、ゲートインしたときに終わっています。味気ない別れ。そして、飛行機は空に向かって飛び立っていきますので、追いかけるなんてあり得ない。

出会いと別れは、これも人の世の常、永遠ですから人それぞれの別れがある。

でも男の私にはよく分からないのは、
「あなただけを愛してると
 気づいたのが遅すぎたのね」

...という歌詞ですね。

「優しい愛につつまれてながら
 心を閉ざした あの頃」
という事情は、詩を書くような人におしなべて存在する心性ですけれども、それだからといって男を愛していることに気づかなかった、という感覚が理解しにくい。


 私なども真知子さん以上に、言葉が通じないと言う感覚を物心ついた頃から抱いていて強固な内面世界に生きていたと思いますけれども、人を好きになる感情は自分の世界が転覆するほどの衝撃として感じていました。ましてや、「愛されるということは 人生最大の驚愕である」というのは、もっともっと衝撃として感じるはず。

 どうも、竜真知子さんの歌詞は、知性が勝りすぎて、頭で考えている世界の広がりが人よりも過剰なのかな、という感じがするのですが。
 俗に、女は子宮で考えるといわれるほど感覚的なもののとらえ方をしますので、人の気持ち、ましてや自分の気持ちは鋭敏に察知するはずだと、思います。

 ものを書くほどの人の内面は一筋縄ではいかない屈折したものがありますので、竜真知子的感性なのだと言うほかないですね。



石川ひとみ「Follow You -空港まで-」(PRIVATE・・HITOMI)
作詞:竜真知子/作曲:林 哲司/編曲:林 哲司 ・ 山下 正

follow_you.gif
どのような形であれ、
愛する人との、愛ある別れというのは後悔が消えることはありませんね。

あの時、ああすればよかった、こうすればよかった...と。

この「Follow You-空港まで-」は、そういう別れ方だけはしたくない、という女性の気持ちで書かれているわけです。

いざお別れね、というところまで素直じゃなく、突っ張っていたけれど、そんな女の意地もプライドも、ためらいもかなぐり捨てて、あなたの胸に飛び込んでいくわ、と。

竜真知子さんの歌詞は、岡田富美子さんと三浦徳子さんの間にポジショニングがあり、バランス感覚が優れていると思う。

中庸であるために、インパクトが少ないのですが、石川ひとみさんが歌うには良い歌ではないかな。

シャイニングの「愛は離陸してゆく」とか、
Follow You 「忘れものは私よ」とか、
文学少女っぽいところがありますけれど、石川ひとみ1979年の青文字・まみれ系の歌の代わりにイチ押ししておきたかった曲ですね。

「傷つくのがイヤだから告白なんて出来ない」というオクテのひっちゃんでしたから、この歌詞は無理なく歌えるはずです。


この曲は「にわか雨」のB面で、1983年のリリースですが、「にわか雨」がもっと前に出来ていてお蔵入りになった事情は前に書いています。

もともとA面とB面のセットで考えられていたのかは分かりませんが、この曲もずっと若いときに歌うべきだったかな、と思います。

まあ、どちらもさわやか系で、良い曲ですね。
ただし、インパクトが弱い、というきらいはありますけど


 前回の記事のように「東京ららばい」のあとに「つぶやき」を置くと、迫力負けしてしまうように、この頃のJ-POPは曲のアレンジ競争がすごかったですから、地味な曲で埋もれてしまうか、という感じでシングルA面には採用されなかったのでしょう。
(という事情で、旧記事から「つぶやき」を単独ページとして分離しました)

 でも、初期の無理なセクシー路線よりは、このように素直でバランスのとれた曲を採用していた方が良かったのに、と思わずにはいられません。

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