Ishikawa Hitomi 「Do You Love Me ?」

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 Do You Love Me ?

作詞/作曲:小室みつ子 /編曲:松任谷正隆
 小室みつ子さんの歌詞はどれもかわいらしいです。
 若い頃の詩ですから、それにふさわしいものを対象にすると、彼女の良さが発揮されますね。


 この歌は、なかなか味わいがありますね。
 ちょっと見ほどには他愛のないものではなくて、みつ子さん、すこしばかりひねりを加えています。

 それを受けて松任谷正隆がしゃれたエンディングにしています。

 話体の歌詞は軽味を表現するのに適していますので、みつ子的ライトヴァースの恋愛詩になっていて、
「もうすぐ私きっと あなたを振り向かせる」
 のとは対極的な世界になっています。

   二人の関係はなかなか進展しない。
   あなたは、それでもいいのかしら、と......

 このセリフは少しいじわるっぽくほほ笑んでいるかと思う
 
 なぜかというと、

 恋愛の初めはお互いの気持ちの探り合い、情報戦みたいなものですから、
 うっかりと手の内を見せてしまったのは「あなた」なのですよね。

 レコードを貸してあげる、という逢うための口実つくりを、恋活詩をたくさん書いているみつ子さんの感覚では、
「常套的」な手段だとして、
(わたし的に)は、かるーく見抜いている、という設定です。

 だから、わざとレコードを返さずに、手の内を見られたあなたの負けよー (*^_^*) と、ほほ笑んでいるのです。

 私が手の内を見せないと画策しているのではなく、他愛なく手の内を見せてくれた「あなた」を、よしよしと頭をなでてあげたいくらいだ、と。
 嫉妬して本気で怒ってるのね、とか。

 でも、告られ一歩手前の私だって胸の内は「早く告白して!」と熱いのーっと。

 それで余裕をみせて冷やかし気味に、タイトルにあるような台詞をハミング気分でいたら...最後に...

 (あなたの)告白の言葉はなく......いきなり抱きしめられキスされて
 私は Yes と言おうと思っていたのに何も言えませんでした

...とさ。想定の範囲外でしたね。

 おねーさま気取りの私のいたずらっぽい挑発に、「オレは男だァー」とアタックしたわけですね。
 いきなり終わるエンディングはそういう意味でしょう。

 この歌詞は現実的な描写ではなく、歌詞という表現の中で、リフレインがあったり、本来胸の内にある内語が、実際のセリフのように書かれています。
 Do You Love Me ? と、それに対応するセリフは、私の心理的時間の推移を表しています。

 たとえば、「探り合いに ピリオド打つのよ」というのは、私がではなく、早くピリオドを打ってね、という再三の内面的呼びかけですね。この形式に新しい試みがありますが、作詞家の世界の話になってしまいます。

 でも、ですね、レコードのひとみちゃん、少しもいたずらっぽく歌ってないようだねぇ。
 みつ子さんの方が表現者として少しだけ屈折しているのでしょう。

 歌手石川ひとみ、す、すなおですからー。
 というより、ディレクターが分かってないのよね。

 でも、高音のよく抜けること。
 幼い声になるところがいいのだな。


 私も昔、逆に女の子からレコードを借りたことがあります。
 でも、私は、それと同じレコードをお店に注文して、そちらの新品を一度開封したりしてから、素知らぬ顔で彼女に返すということをやりました。

 彼女が聴き古したレコードを宝物にして、帰郷しようと思ったからですね。ところが、その日の夜にはこちらの手の内がばれてしまいました。
 素っ気ないそぶりで返したので、彼女はレコードの中に何か手紙でも入っているかとチェックをしたようで、まっさらなレコード盤に気づかれてしまった。

 こうなると、五分五分の膠着状態かな。
 そこから物語が始まるわけですけれど、歌謡曲では収まらなくなる世界ですね。


 【コメント】

こんにちは、小林さん。

驚きました、早速に「インプレッション」が出来上がっていました。
ありがとうございます。

私は詩の意味を取り違えていたようです、手の内見せたのは「あなた」なのですね、それで少し大人びた言葉遣いになって分けなのですね、そうなのか。読解弱いようです。

でも、言い訳ですが、石川ひとみさんが歌うと全て悪いのは私(ひとみさん)で歌詞の中に出てくる相手は全く悪くないニュアンスで聞こえるのです。

そこが素敵なのですが。


「返したレコードの中に手紙を入れる」そうか、その手があったのですね。
うーん30年前も今も気がつきませんでした。

「Do You Love Me ?」インプレッション、ありがとうございました。
これからも少しずつでも「全ての曲」を取り上げて頂けると嬉しいです。


追伸です。

おかげ様で、この曲で一番不思議に思っていた、「突然のエンディング」理由が分かりました。

その瞬間「抱きしめられた」場面を表現しているのですか。

長年の疑問が解消しました。

プロの技術って素晴らしいものですね、でも小林さんの解説がなければ、そのプロの技術を理解出来ませんでした。


 【返信】

 松任谷さん、楽しんでいますよね。

 じつは、この曲がこんなふうに終わっていることに、これまで気づいていませんでした。
 他の曲と通してBGMのように聴いていますと、他のことに気をとられて、気付かなかったのかもしれません。

 一曲だけ取り上げてみると、イメージが湧きますね。
 きちんと聴いてみると、どれもスタッフそれぞれの想いが込められていることが了解されます。
 一つ一つ、みんな命をもっていることに気づかされました。



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2010年7月28日 23:34ブログ記事一覧です。

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